ある村で子供たちに学問を教えたら、季子の古い友人の妻が家の外で待っていたのを見えた。その女性の名は、壽々。壽々の夫は数か月前に亡くなったそうだ。
授業を終わった季子が、壽々とあった。彼女は、頭を深々と下げた。
「先生、突然こんな形で来てすみません」彼女が誤った。
「いやいや、君が来たのは訳があるようだな」
「はい、実は夫が生きていた時に村の人々を手助けしたのだが、借金までして人助けをしたり、息子たちの薬代でさらに借金をしてしまい借金取りが葬儀以降に追われてしまって。夜逃げをしようとしても息子たちはまだ病弱でどうしたらいいのか」
「何か方法あるのでは。家に何か価値のあるものは?」
「それがないんです」
「くしすらも?」
「ごま油なら少し」
「では、こうしよう。近所に回って壺を借りなさい。できるだけたくさん」
「壺…ですか」
「壺をできるだけ詰めたら、息子たちと家に入り、戸を閉めなさい。そこで持っているごま油を空の壺に移しなさい」
こうして壽々は、言われた通り壺を集め、やがて家の中に息子たちと閉じこもった。そして、ごま油の入っていた瓶を手に取り、油を壺に移し始めた。
「お母さん、何をしているの?」
「油を移しているの」
「僕らも手伝って良い?」
「そうしたら僕いっぱいになった壺を空のと交換する」長男が言った。
「じゃあ、僕は空の壺を持ってくる」次男が言った。
するとどうでしょう。あんなに少なかった油がみるみると次から次へと壺をいっぱいになるのではないか。
「もういっぱい!」
「はい、次の壺」
「もういっぱい!早く次のを」
「お母さん、もう壺それで終わりだよ」と次男が言ったら、ちょうど瓶の油が空になり壺がいっぱいになった。
次の朝、壽々は季子に会い、先日の出来事を話した。
「家中の壺が油でいっぱいです」
「では、その油を売りなさい。そして儲かったお金で借金を返し残りで息子たちの薬代に」
こうして壽々は、油を売ったお金で借金を払い返し、息子たちの病の治療ができたそうだ。そして病から回復した息子たちは、母親を支えることができたそうだ。
めでたしめでたし。